アメリカに住むということ

よそ様の国に住むというのは結構大変です。英語が出来ればいいというものではありません。

7年前の出来事。その2

たまたま私たちはウィニペグ空港に着陸することになりましたが、西部のバンクーバーや東部のトロントなどに着陸した飛行機の乗客の皆さんは、たとえ飛行機が着陸しても行き場がないほど飛行場が込み合い、大変だったようです。

それもそのはず、当時アメリカ上空を飛んでいた何百という飛行機が一斉にカナダに向かったのですから…。

まだ、数十時間で飛行場を出て、ホテルに入り、暖かい食事をとり、ベッドの上で寝ることのできた私たちは本当にラッキーでした。

翌日。

テレビでニュースを観る以外することもなく、同行の日本人の皆さんたちと不安を語って時間を過ごしました。

ホテルから何度か日本に電話をしましたが、つながりません。世界中で電話回線がパンクしているようでした。運が良くつながっても、すぐに切れてしまいます。

お昼頃に、ノースウェストの担当者から、どうやら国際線は明日・あさってにでも飛んでもいいことになりそうだという説明がされました。

私たち一行の最終目的地はデトロイトですが、飛行機に乗っていたほかの日本人達は、最終目的地がニュー・ヨークとかボストンとかフロリダだとか。

デトロイトまではいけても、それから先へは国内線なので飛んでいくことができないとのこと。

特に、行き先がニューヨークの場合、被害状況がまだ不明で、マンハッタンは大変混乱し大変なことになっているので、当分の間はあの一帯に入らないほうが良いのではないかというのがノースの担当者の説明だったように記憶しています。

3日目に、前日の連絡どおり、国際線のみ米国入国が許可となりました。

大急ぎで空港行きのバスに乗り込み、飛行場へと向かう私たち。

当時のカナダはまだ経済状況があまりよくなく、特にウィニペグのようなド田舎はほんとにヘタレな地域で、バスの窓から見た風景は、なんともウラ寂しいものがありました。それは、今から飛行機に乗って米国に行く私たちの心配な気持ちが反映しているように感じられ、ドーンと気持ちが沈んだままなかなか這い上がってくることが出来ません。

飛行場での出国検査は、持っているものすべて1つ1つチェックをするという厳重なもので、刃物になるうるもの、人をさすことが出来るもの、とにかく危険だと判断されるものはすべて没収されました。

日本からお土産で持ってきた、きれいは包装紙に包まれたものもすべて包装紙を破り、中身がひとつひとつチェックされました。

何時間かかろうが、乗り込む乗客全員の持っているすべてのアイテムが100%チェックされるまでは飛行機は飛びません、という案内でした。従って、出発予定時間は未定。「飛べるときに飛びます」ということで。

調べる検査官の皆さんも、もうヘロヘロになりながら作業をしておられました。

空港での待ち時間が長いということもあり、地域のボランティアの皆さんが、飛行機に乗る人たちのためにサンドイッチ、飲み物、スナックなどを配っていました。

ウィニペグ空港には確かジャンボが少なくとも3台ぐらい着陸してきていたので、総乗客数は相当だったはずだと思いますが、その分の食べ物をしっかり準備して無料でみんなに配るなんて、なんて凄いことだろうと、とっても感心しました。

さて。

みんな無言のまま飛行機の乗り込み、無言のまま飛行機の中で時間を過ごしました。デトロイト空港に着陸したとき、一斉に安堵の息が漏れました。

ニューヨークが最終目的地の、あの若いお兄ちゃんやお姉ちゃんたちは、デトロイトからバスでニューヨーク入りしたはずですが、一体、どんな風景を見たのでしょうか。

雑誌「TIME」であの日のことの特集がされたページをめくると、指輪がついた手首から先の部分だけの女性の手が、無茶苦茶になった道路の上にぽつんと横たわっている写真が載っていました。

1本1本の指が助けを求めて叫んでいるような、そんな写真です。

この辺で、やめときます。

合掌。



スポンサーサイト

Comments

凄かったのですね・・・

日本ではあの惨事の現場のこと、亡くなられた方のことなどしか報道されていませんでしたが、アメリカ国内は物凄く大変だったのですね
想像以上の混乱が記事を読んでいて伝わってきました。
ほんとうに1日に何便の飛行機が空を駆け巡っているんでしょう・・・
膨大な数ですもんね
それらがすべて一斉に着陸となったら空港はパンクですもんね

安全な乗り物だと信じていたものが恐怖の凶器となる・・・

テロの怖さを全世界が感じた事件でした

願わくば、被害にあわれた方のご冥福と
KE007さんがその飛行機でなかったことが、せめてもの救いです

2008.03.27(Thu) 22:17       たれぞ~ さん   #jhC0J7jE  URL       

コメント感謝です。

v-497たれ様
あれだけとんでもない事があって、あれほど多くの人が命を落としたのに、世界中のいろいろなところで殺し合いがまだ行われているというのは、本当に悲しいことです。たまたま、日本とかアメリカといった比較的平和な場所にいることを幸せだと思うべきなんでしょうかねえ。

2008.03.28(Fri) 14:00       KE007 さん   #-  URL       

Post A Comment

What's New?