アメリカに住むということ

よそ様の国に住むというのは結構大変です。英語が出来ればいいというものではありません。

7年前の出来事。

いつものように、焼きソバとオムレツを温めるにおいがしてきました。

ということは、あと2時間ぐらいでデトロイトに到着です。

でも、何故か配膳は開始されず、食事のにおいも消えてしまいました。

「どうしたんだろう…」

と思っていると、機内アナウンスが流れました。それも、いきなり機長が話し始めたのです。

「All the U.S. airports were closed. We are now heading for Canada. (全米の空港が閉鎖になりましたので、当機はカナダに向かいます)」

これ以上の説明は無く、満席の名古屋発デトロイト行きノースウエスト便はすっかり不安に包まれました。

しばらくすると、また機長から、

「詳しいことはわかりませんが、ニューヨークが何者かによって攻撃を受けた模様です。詳細はこれからの行き先に到着次第、お知らせします。(もちろん英語で)」

というようなアナウンスが。

機長の話が日本人通訳によって日本語にされますが、恐らく、日本人向けに恐怖感を持たせないためか、日本風回りくどい説明になっていました。英語のわかる人達は機長の説明に真っ青になっているのに、日本語の通訳だけを聞いている日本人は、みんなしてのんきな顔をしているのがとても印象的でした。

機内では、フライト・アテンダントたちもどんどんとそわそわし始め、乗務員詰め所の近くでコソコソ話をしているんです。

「ワールド・トレード・センターに飛行機が突っ込んだらしいよ~」
「ペンタゴンが攻撃されているらしいよ~」

等と話しているじゃありませんか!

耳を超ダンボにして情報集めをしようとする私。そして、それを逐一同行の日本人達に伝えて、

「どうなっちゃうんでしょうね~」

と、みんなで当方に暮れ…。

どこで何が起こったのやら、殆ど何も知らないまま、数時間後に、カナダ国ウィニペッグの空港に到着しました。しかも、着陸したのは軍用敷地内。

機長からは、

「ニューヨークのワールド・トレード・センターが攻撃され、崩壊し、ペンタゴンも大変なことになっています。全米の空港が閉鎖されたため、空路でアメリカに入ることができません。今後の見通しは今の所、全く不明ですが、とりあえずホテルを用意しましたので、そちらでお休みください。」

というような連絡。

アメリカ上空を飛行中の複数の飛行機を突然受け入れることになった空港は大変な混乱で、飛行機が着陸してもずっとそのまま飛行機の中で待機すること8時間。日本を出て以来何十時間もたっているので、乗客だけでなく乗組員も、みんなしてすっかりボロボロ。

やっと飛行機を降りると、今度はカナダ国への入国検査。

軍の人たちと、地域の警察の人たち総出で、1人1人の荷物を超細かく調べるのです。

ウィニペッグ空港に到着してから10時間以上たった後、やっとホテルに向かうバスに乗り込みました。

9月初旬とは言え、ウィニペッグは冬になると極寒の地。とっても寒いのです、特に夜は。一緒にいたウチのボウズが半袖半ズボンで、ぶるぶる震えていていると、バスに同乗していた警察のお兄さんがボウズにジャンパーを貸してくれました。

ヨレヨレになってホテルに到着してまずしたことは、ニュース番組を観ること。みんなして、テレビの前で固まってしまいました。あの、飛行機がビルに突入する場面を見て…。

私達が、アメリカの空を飛んでいるときにあんなことが起こっていたとは…。

ノース・ウェストの担当者たちによる説明会が開かれたものの、基本的に機長の話の反復で、いつアメリカに入ることができるかは全く不明だと言われました。

と、今回はここまで。次回に続きます。
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Comments

忘れられない日

そっか・・・あの時、ちょうどお空の上だったのですね~
それはまた大変な監禁状態だわ(汗汗)

もう7年も経ってしまったんですね・・・
今でも鮮明にまぶたに焼き付いてますよ、あの映像。
あれが映画の1シーンではなく、現実に起こっている出来事だと認識するまでしばらくかかりました。
飛行機内の英語を理解していた人の恐怖を考えると、胸が痛みます。

あの時は9月のはじめ。
ご実家ではまだ夏気温ですもんね~
北海道も9月の夜は長袖が欲しいところなので、さぞかし寒かったでしようね

なんかその後もそう簡単には米国内に入国出来なさそうですよね
うう~ん大変だわ

2008.03.03(Mon) 06:39       たれぞ~ さん   #jhC0J7jE  URL       

e-90たれ様
もう7年も前のことだなんて、本当にウソのようです。
あの事件は、規模の大きさと、衝撃度の高さで、一生全世界の人たちのまぶたに焼きついていると思います。
でも、その一方で、報道されることのない残虐なことが、実は毎日世界のどこかしらで起こっていることを思うと、とても心が痛みます。
いつまでたっても、人間はいざこざをやめられないのですね~。

この続きは、いつ書けるのやら…。

2008.03.03(Mon) 13:29       KE007 さん   #-  URL       

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