アメリカに住むということ

よそ様の国に住むというのは結構大変です。英語が出来ればいいというものではありません。

驚愕の請求書

朝、いつものように目を覚まし、シャワーを浴びて、仕事に行くための身支度をしていたときに、背中の左上辺りに違和感を覚えました。

「ローションを塗るときに、ひねっちゃったかな。」

などと思いながら、身支度を続けていると、その痛みがどんどんと広がって行くじゃぁありませんか。

ちょっと動作をとめて、息を整えようとしても落ち着くどころか、なんだか心臓がドンドンしだして、

「ま、まずい…。」

と思いながら冷や汗すら出てきてしまう始末。

それでも、

「そのうちに、何とかなるでしょう。」

などと楽観し、ゼイゼイしながらもボウズのランチを作り、ややハンドルに寄りかかりながら車を運転してボウズを学校まで送って行き、その足でそのままB病院の救急に向かいました。

そういうときに限って、救急専門の駐車場は閉まっていて、すぐ近くにある一般患者用駐車場も混み混み。

ちょっと坂を下ったところにあるスペースしか空いてないので、仕方なくそこにとめて、救急病棟まで歩きました。

病棟に入って受付のオバちゃんを見たとたん、気が抜けてしまって、ヘナヘナと椅子に座り込み、

「なんだか、左胸から背中にかけて、おかしいの。」

とか細い声でいいましたら、早速、

「心電図!」

とそこいらにいるスタッフに叫んで、車椅子に座らされて連れて行かれました。

発作や梗塞などといった本当の緊急時は、

「はい、名前は?誕生日は?ここで診療を受けたことありますか?」

というようなのはすっ飛ばしてくれます(当然だけど)。

とりあえず心電図で、

「基本的に心臓発作じゃなさそう。」

というのがわかると、まず病室に連れていかれてます。

事務系のオバちゃんが来て、個人情報やら受診歴やらを聞いてきます。

「転職したばかりで、まだ保険証を受け取っていないんです。」

というと、電話番号のついたパンフレットをくれて、

「ここを出て5日以内にこの電話番号まで保険証番号を知らせてきてね。そうしないと、あなたに直接請求書が行くわよ。」

といわれました。

病院も治療費回収大変なのね。



さて。

脈拍や血圧を調べ、血液を採取し、モニターがつけられます。

ちょっと落ち着いた頃に担当救急意思が登場し、

「心臓発作かどうかはまだ不明。いろいろ検査します。今日は、一日中ここにいると思うわ。」

と告げてくれました。

まあ、そんなときに限って、携帯電話を自宅に忘れてきてしまって、会社に電話することも、友達に助けを求めることもできない自分に気付きました。

唯一思い出した友達の電話番号を病室の電話からかけてみましたら、やっぱり、そういうときに限ってその友達はずっと不在。

何もすることがない検査と検査の間の待ち時間に、なんとか電話番号を思いだして、別の友達に電話を繋けることに成功しました。

でも、その友達に電話が繋がったのは、ほぼ心臓発作の疑いは100%無しだとわかった頃だったので、特にお願いすることもなく、逆に要らない心配をかけてしまって申し訳ないほどでした。

心電図を2回ぐらいとって、ストレス・テストを行い、ストレス・テストの前後にスキャンで心臓の写真を撮ったりして、さっさと一日が過ぎてゆきました。

実際の検査の時間より待ち時間が三倍ぐらい長く、待ち時間はひたすら眠っておりました。

眠れば眠るほど体調が整っていくのを自覚した私は、

「これは、単なる疲労からくる不調だったんじゃないの???」

と自分に突っ込みを入れ、

「あの採血で100ドル、あの心電図で300ドル、あの心臓写真で3000ドル、あのストレステストで1500ドル、あの医師との会話は1分5につき50ドル…。」

などと計算を始めた次第です。

夕方5時過ぎに、朝から数えると3人目ぐらいの医師がやってきて、

「さあ、いろいろ検査をやったけれれど、どうやら大丈夫そうだね。もう、お家に帰っても良いよ。2-3日中に主治医に会ってくると良いよ。」

と説明し、リリース書類にサインをして去ってゆきました。

ということで、久しぶりに、たくさん睡眠が取れた一日となりました。

翌日、早速保険会社に電話をして保険証番号を聞きましたら、まだ発行されていない旨。

なんと、退院して3日目に病院から超高速で請求書が送られてきました。

約8千ドルなり。

「はっ???????」

と始めは目が点になりましたが、一日救急にいてあれだけの検査をしたら大抵1万ドルはするものです。

アメリカに来たばかりだったら、世界にひびが入るほど驚愕して騒ぎ立てていたでしょうが、10年以上もここにいますから、2秒間ぐらい目をつぶり、息を整えて、

「想定内」

と小さくつぶやきます。

再び保険会社に電話をして、保険証番号を問い合わせると、今度はちゃんと出ていました。

粛々と病院の会計課に電話をして、粛々と保険証番号を伝えます。

保険会社にも電話をして、請求書の間違いを指摘し、書類の再作成を依頼し、新しい請求書が来ることを待つことにします。

大切なのは、一連の確認電話は、数回繰り返すことが必要だということ。

いろんなところでシステムが崩壊しているので、今日大丈夫だといわれても翌日も大丈夫だという保障はどこにもありません。

複数確認電話をしてやっと納得&安心となります。

それでも、またあとからへんてこりんなレターが送られてくる事があるんです。

それも、想定内。

なんどか、戦闘を繰り返して、軌道修正ができるのです。

それはまさに我慢比べで、それに負けると、

「あ~、もう、面倒だから払っちゃえ!」

となるのです。

電話口で2時間とか3時間とか待てる辛抱強さが必要な国なのです、アメリカってところは。

(え?日本も???)


でもさ、さすがに1万ドル(日本円にして80万円ぐらい?)近い請求書が送られてきたときは、実は、本当の心臓発作になるかと思ったなぁ…。心臓に悪いわ!









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2012.12.29(Sat) 16:26        さん   #         

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