アメリカに住むということ

よそ様の国に住むというのは結構大変です。英語が出来ればいいというものではありません。

人の痛みとか悲しみとか。

エンパシー(EMPATHY)という言葉があります。

これは、カウンセリングとか心理学を勉強しているとしょっちゅう出てくる言葉です。

シンパシー(SYMPATHY)よりも突っ込んだ意味合いがあって、「出来るだけ精一杯その人の立場になって考えようとすること」というようなことです。


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ウチのボウズがまだ日本で保育園に通っていた頃のお話です。

滲出性中耳炎に罹ってしまって、近所の耳鼻科医院にずっと通っていました。

その耳鼻科医院はご夫婦でクリニックをやっているところで、ご主人先生が耳鼻科、奥さん先生が内科担当。

ボウズがとても良くして頂いたので、私も内科関係は大きな病院ではなく、奥さん先生に診ていただいていました。

ある日、胃の調子がなんだか悪くて奥さん先生に診て頂いたときのこと。

奥さん先生が、

「心配事とかあると、胃に来るんですよね~。胃って結構デリケートなのよ。ウチもね、息子が中学生で、定期試験があるたびに胃がキリキリして大変なのよ~。」

とおっしゃいました。

その時、私は、

「両親がお医者様なら、お子さんも結構おできになるんじゃないかしら?お医者様も、大変なのねぇ。」

なんて、随分と失礼なことを思っていました。

さて、時は流れ。

ウチのボウズが日本人補習校で中学生になりました。

それで、先日、彼の人生始まって以来初めての中間テストなるものがありました。彼が行っている現地校にはそのようなテストがありませんので、勉強の仕方やテストの受け方など全くわかっていません。

今まで、サッカーだけ一生懸命やる人生を送ってきていますから、補習校は全くの超低空飛行です。普段は英語中心の生活で、英語のほうがむしろ母国語となっていますから、補習校での先生の講義は恐らく半分ぐらいしか理解していないほうです。(半分もしていれば良いほうかも…。)

そんなわけで、中間試験10日ぐらい前から毎日大特訓をしました。

いつもは9時には寝ちゃう人なのに、11時ぐらいまで絞りに絞って勉強漬けの毎日。基本的に全教科ゼロからやり直し。

日本語で理解しにくい点は英語も混ぜて説明してやり、なんだか、私もすっかり勉強しちゃいました。

試験3日ぐらい前あたりから、なんだか、私の体調がおかしくなり始めました。

胃がキリキリ痛いんです。おまけに頭もちょっと重く感じて。風邪の引きはじめかと思ったのですが、それ以上進まないので、そうでもなさそうで。

それが、試験の終わった6月5日にピタリと治っちゃたのです。

神経性のキリキリだったことに気づいたとき、10年ぐらい前にあの奥さん先生の言われたことをふと思い出し、

「あー、このことなんだ!!」

と、とっても理解できました。

人の痛みとか悲しみというものは、自分が実際に体験してみないと、わからないものなんだと、つくづく思いました。わかろうとする努力は出来るかもしれないけれど、本当の意味でわかるのは難しいかな、と。

こんなことを思いながら、修士までとった心理学やカウンセリングを一生の仕事にしなくて実は良かったのではないかと、こっそり思っています。



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